平成22年度 税制改正に関する提言
財団法人全国法人会総連合
はじめに
 100年に一度の危機に遭遇していると言われる日本経済は、2009年4−6月期の実質国内総生産(GDP)が1年3カ月ぶりにプラスに転じ、最悪期を脱しつつある。しかし、景気は底這い状態で、その前途は予断を許さない。
 世界を見渡すと、今回の金融危機で、最も大きなダメージを受けたのは日本であり、火元のアメリカはもとよりヨーロッパよりもその影響は大きかった。その理由は、日本経済が輸出依存度の高い体質であったこと、とりわけ輸出品の中心が付加価値の高い工業製品であったため、、海外景気の悪化ペースを上回って外需が落ち込み、経済が急降下したためである。しかし、今回の不況は世界的な金融津波という外的要因が原因で、自分たちに落ち度がないと判断することは必ずしも事態を正確に捉えたものではなく、問題解決に取り組む上での正しいスタンスとは言えない。今、必要なのは危機問題の本質を正確に捉え、日本の経済運営の問題点をきちんと認識し、その上で税制面を含めた対応策をとることである。
 現在の景気は、巨額な財政支出で辛うじて支えている。しかし、中期的には先進国中最悪の財政赤字を削減することが大きな課題となる。少子高齢化、グローバル化など経済社会の構造変化に対応した税制の構築は急務である。特に、外需に過度に依存する経済構造から脱却するためには、地域経済の担い手である中小企業の活性化に資する税制は欠かせない。そのため、法人税率(軽減税率を含む)の引き下げと事業承継税制の確立を最重要課題として提示する。
 以上を踏まえ、会員の総意として「今後の望ましい税制のあり方」をテーマに平成22年度税制改正に関する提言を取りまとめた。
総  論
第一 経済社会の今後のあるべき姿

 政府は月例経済報告で景気の基調を「このところ持ち直しの動きがみられる」と指摘し、日本銀行も金融政策決定会合後の公表文で「景気は下げ止っている」と表現している。しかし、その一方で不安材料も多い。完全失業率は5%台になり、雇用の悪化は止まらない。企業の設備投資意欲も停滞している。雇用と設備投資が不振になると、消費や企業収益が低迷することになり、経済は負の悪循環に陥るおそれがある。特に、中小企業を取り巻く環境は一層厳しさを増し、先行きに見通しの立たないところが多い。
 こうした中で、政府は経済財政運営の基本指針となる「骨太の方針2009」を決定した。焦点の社会保障費については抑制方針を撤回し、財政健全化目標も先送りした。目標達成のために、歳入面では2011年度から消費税を含む税制抜本改革を描いた「中期プログラム」の実行を挙げている。しかし、肝心の歳出面を具体的にどう削減するのかについては触れられておらず、大いに不満が残る。
 現在の財政出動は、経済の下支え効果をねらったものであり、未来永劫に続けてよい訳ではない。その意味で、行財政の無駄をなくす不断の努力を続けるべきである。

第二 行財政改革の推進

 政府はすでに行政改革推進法等関連法の中で、国の行政機関の定員5%の削減、31特別会計の統廃合、公会計制度の整備、政府系金融機関改革を示し、実行に移している。2009年度末には、国の行政機関の定員は2万人減の約31万人となり、国家公務員の人件費も2005年度に比べ1200億円減り、総人件費は53195億円となる見込みである。また、国の「骨太の方針2009」では、今後5年間で10%以上の定員合理化計画を決めている。
 しかし、その内容は民間の行っているリストラ策に比べて生ぬるいものであり納得できない。2009年度当初予算では、公益法人支出の削減、特別会計支出の見直し、行政コストの削減等が盛り込まれたが、その後の経済対策の名目で特殊法人の施設整備費や官製基金への出資金等の無駄な支出が目立った。
 一方、都道府県や市町村も民間平均を越える高額退職金を支給し、その原資を調達するために借金をしているのが実情である。
 国や地方自治体は、今後さらに行政経費を切り詰め、国・地方議員定数の削減、公務員制度改革等が急務である。将来は道州制に向けての具体策の検討等、行政組織の筒素合理化を行い、より小さな政府に向けて努力すべきである。

第三 社会保障制度・国民負担のあり方

 わが国は急速に進む少子高齢化のために社会保障関係予算が急増し、国の歳出の4分の1を占めるに至っている。同時に、少子化の進展に伴い、現役世代が高齢者を支えるという現行の年金等社会保障制度の維持が難しくなってきている。
 こうした情勢を考慮すると、社会保障については国民が納得できるような制度に向けての改革が是非とも必要である。特に年金については、若い層ほど将来の年金に対する不信感が強い。日本の年金制度は高齢化が急速に進むにもかかわらず、高すぎる年金支給額を約束し、しかも改革が後手に回ってきた。こうした点から、中高年者の不安、若者の制度に対する不信感を解消するため、保険料と税負担のあり方や、世代間・世代内の受益と負担の公平等の中期ビジョンを明確にすべきである。なお、保険料の企業負担は限界に達しており、これ以上の負担には耐えられないことを指摘したい。
 また、政府が示した中期プログラムでは、社会保障番号・カード(仮称)を2011年度を目途に導入するとしている。今後、子育て等に配慮した低所得者支援(給付付き税額控除)などが検討されることになっているが、その実施のためには正確な所得を捕捉するための担保が必要となる。社会保障番号・カードの導入が検討される際には、納税者番号制度をはじめ、各種制度の横断的な活用を図れるような制度設計を行うべきである。
 社会保障費の増大は、将来の国民負担増を招く。ある程度の増加はやむを得ないが、他の経費の無駄を省き、将来も財政赤字を含めた潜在的国民負担率を50%程度にとどめるべきである。

第四 国と地方のあり方

 わが国の中央集権システムは、国・地方の経済発展に大きく貢献してきたが、最近ではそのシステムの生み出す非効率性等無駄の方が目立つようになってきた。これからは地方がその実情に応じ、受益と負担の原則のもとで自らが選択し、最適な状況を決める分権型システムへの転換が求められている。そこで、地方がリストラを進めると同時に、国から地方への補助金の削減、地方交付税の改革、税源委譲等三位一体改革が進められている。
 この間題については、地方分権推進委員会が、新分権一括法案を取りまとめる予定だが、国と地方の役割分担の明確化、行政の効率化による歳出削減、道州制の導入など一層の改革推進を求める。
 今後は、三位一体改革の推進はもとより、現在、論議を呼んでいる地方交付税制度についても再検討すべきである。

第五 税制改革のあり方

 税制改革にあたっては、公平・中立・簡素という課税原則に沿い、国民に分かりやすい税制の簡素化が必要である。
 また、地域経済の担い手である中小企業を活性化させるためには、努力した者が報われる税制こそが重要であり、具体的には、かねてから懸案である法人税率の引き下げ(軽減税率の恒久化を含む)と事業承継税制の確立を最重要課題として提示する。

第六 租税教育の充実

 税は国・地方が提供する公共サービスの財源である。したがって、税がなければ国や地方の各種サービスは機能しない。国民の納税義務は憲法でも定められている。21世紀の納税者は「税をキチンと支払い、その使い方を監視する人」にならなければならない。今後の行財政改革の推進にあたっては、国や地方が国民に対して実施状況を公表するなど納税者とともに進めていくことが求められる。そのための監査機能の充実も大切になる。
 そこで、学校教育はもとより社会全体で租税教育に取り組み、税の役割を正しく理解して、真の納税者(タックス・ペイヤー)意識を定着させる必要がある。
 これからの税制改正は、納める側が納得した上での推進が必須の条件となる。その意味からも租税教育の充実は重要である。

各  論
第一 法人税制について
1.法人税の税率の引き下げ

 わが国の法人税の実効税率はアメリカ並みの4069%となっている。しかし最近、自国企業の国際競争力強化あるいは外国資本の誘致等の目的から税制を優遇している国が多い。現実に、近年、欧州・アジア諸国で法人税率の引き下げが行われている。特にイギリス、ドイツ等では実効税率が20%台にまで引き下げられている。
 日本企業の国際競争力強化や国内産業の空洞化防止、さらには外国資本の国内への投資促進の観点から、法人税の基本税率について地方税を含め、大幅な引き下げが必要である。その際、租税特別措置の整理・合理化等で課税ベースを広げ、地方税を含めて、欧州・アジア主要国並みの実効税率とするよう求める。

2.中小企業軽減税率の引き下げ等
 平成21年度税制改正で、中小企業等に適用される法人税の軽減税率が2年間の措置として22%から18%に引き下げられた。しかし、現在の厳しい経営環境や中小企業の担税力を考えると、中小企業に適用される軽減税率は2年間の時限措置ではなく恒久化するとともに、さらに一層の税率引き下げが必要である。また、昭和56年以来、課税所得8α)万円以下に据え置かれている軽減税率の適用課税所得金額を少なくとも15(沿万円程度へ引き上げるよう求める。
3.特殊支配同族会社に対する役員給与の損金算入制限
 この制度は、新会社法施行に伴う課税逃れの防止策として設けられ、平成19年度税制改正で適用除外となる基準所得金額が800万円から1600万円に引き上げられる緩和措置がとられた。しかし、この課税制度は中小企業に多大な影響を及ぼすだけではなく、その内容について、法人税・所得税という税制の根幹に関わる問題に抵触しており、制度そのものが合理性を欠いている。要件操作によって課税対象から外れることが可能であり、中小企業の間で新たな課税の不公平を生んでいる。申告手続きも複雑で、企業に負担と混乱をもたらしている。以上のような理由からこの制度については、即刻廃止を求める。
4.役員給与
 最近、会社法改正、企業会計の変更等に伴い、税制面でも役員給与の取り扱いが大幅に変わり、定期同額給与、事前確定届出給与、利益連動給与以外は損金不算入とする改正が行われた。しかし、利益連動給与について、同族会社は適用対象外となっている。経営意欲、企業活力を発揮させるため、同族会社についても一定の要件の下で、同様の措置を認めるべきである。
5.交際費課税制度
 平成18年度税制改正で、一人当たり5000円以下の飲食費については交際費から除外された。また、資本金1億円以下の中小企業に認められる特例も引き続き存続している。交際費課税における創設当時(昭和29年)の資本蓄積を図るという政策目標は消失している。2009年の追加経済対策で、中小企業に対する交際費の損金算入限度額が400万円から600万円に引き上げられたが、不充分である。そこで、損金算入限度額の更なる引き上げ、損金不算入割合の撤廃、資本金の規模に関わらず一定の損金算入を求める。
6.同族会社の留保金課税
 平成19年度税制改正で、中小企業における同族会社の留保金課税は実質的に撤廃された。しかし、特定同族会社に対する留保金課税は存続しており、引き続き廃止を求める。
7.電子申告
 国税庁が2004年から運用を開始した国税電子申告(eTax)は、20093月末現在の利用率が36%にとどまっている。平成21年度税制改正では、所得税額控除制度の2年延長、所得税の確定申告時に税務署への提出を省略できる書類の拡充などの措置がとられた。さらに一層の利用促進を図るため、地方税の電子申告との一体化の検討、法人・個人に対する恒久的な税額控除制度の創設など利用促進に向けての努力が必要である。
8.その他
 租税特別措置については、政策目的を果たしたものは廃止する一方、中小企業の技術革新など経済活性化に役立つ措置の新設を求める。
 配当に対する二重課税については、現行の配当控除制度では不充分であり、欧州各国の制度(インピュテーシヨン方式)を参考に二重課税の排除を求める。
第二 個人所得税制について
1.所得税と住民税のあり方
 所得税については、就業形態の多様化など経済社会の変化に伴い非納税者が増えている。基幹税としての所得税の機能を回復させるため、税負担の歪みを直し、広く、薄く負担を求めるべきである。また、住民税は応益性の観点から均等割の更なる引き上げを求める。
2.各種控除制度の整理合理化
 所得税および住民税の諸控除については、負担の公平化、税制の簡素化、少子高齢化、雇用慣行の変化、ライフスタイルの多様化等、社会構造の変化に対応して、抜本的に見直す必要がある。人的控除については、累次の改正で複雑化しているため整理・合理化し、基本的な人的控除に集約するよう努力すべきである。
 給与所得控除については、制度本来の趣旨である必要経費の概算控除としては、その水準が高すぎるとの指摘もあり、特定支出控除の拡大と併せて見直す必要がある。
3.少子化対策
 人口減少社会に突入したわが国にとって、少子化対策は国が基本政策として取り組むべき重要な課題である。政府は、2011年度までに実施する重要事項として、新しい子育て支援制度の法制上の整備を提示した。また、税制面では、低所得世帯や子育て世帯を給付金と減税で支援する給付付き税額控除が検討されることとなった。
 少子化対策は、保育所の充実など本来は社会政策による施策の充実が重要となるが、一方で税制面からの配慮も不可欠である。例えば、児童に対する税額控除制度を導入し、子供が多くなるほど税負担が軽減される制度の創設を求める。なお、税額控除については、一定額は税額控除し、控除しきれない額は社会保障給付費として給付する給付付き税額控除制度の導入に向けた検討が急務である。また、フランスで実施されているNN乗方式の導入も積極的に検討すべきである。
4.金融所得一体課税
 所得税の10種類の所得区分は現在の経済取引に適合しているとは言えない状況にある。このため、統合・簡素化や金融商品・取引間の損益通算による一体課税などが望ましい。平成20年度税制改正で損益通算の特例が一部実施されたが、まだ不充分である。経済活性化の観点からも金融所得の一体課税は実施すべきである。
5.納税者番号制度
 納税者番号制度については、最近、社会保障番号との関係整理を含め、政府部内でも議論が活発化している。電子商取引の普及、金融商品の多様化、国際化が進む中での資産移動の把握、金融所得一体課税での損益通算の際の適正な執行、医療・年金等社会保障制度との一元管理、さらには給付付き税額控除制度の導入に向けた検討などを背景に、導入の必要性が求められている。こうした点から、制度の創設・維持にかかるコスト、プライバシー保護等のセキュリティー確保のための法整備等の前提条件を明確にした上で、納税者の利便性も考え、制度の導入に向けて検討すべきである。
第三 相続税制について
1.相続税
 現行の相続税は、法定相続分課税方式と言われ、昭和33年以来、50年間施行されてきた。しかし、平成20年度税制改正で、新しい事業承継税制の創設が謳われ、同時にこれに合わせて相続税の課税方式を個人単位の遺産取得謀税方式へ移行することになったが、見直しは先送りとなった。今後、税制改正が行われる場合には、新たな課税方式への移行のため、税率構造、基礎控除、非課税・軽減措置などについて大幅な見直しが予想される。 しかし、わが国の相続税の負担率は欧米主要国とほぼ同じ水準であり、改正後も現行水準を維持し、これ以上の課税強化とならないよう求める。また、中小企業の事業承継とも関連するので、事業承継に充分な配慮を求める。
2.贈与税
 政府の追加経済対策として、住宅購入や増改築の場合、20091月から2年間の時限措置として別枠500万円までを非課税とする措置がとられた。しかし、これはあくまで時限的なもので、個人の資産移転としての対象が限定されたものになっている。このため、贈与税のあり方については、相続税の見直しと併せ、総合的な見地から再検討するよう求める。
3.相続時精算課税制度の拡充
 相続時精算課税制度は、20歳以上の子が65歳以上の親から受ける贈与(非課税枠2500万円、住宅取得資金の場合は65歳の年齢制限なしで3500万円)について、贈与時に軽減された贈与税を納付し、相続時に相続税で精算することになっている。この制度については、非課税枠の拡大と65歳から60歳への年齢制限の引き下げを求める。
第四 事業承継税制について

 わが国の中小企業は、地域経済の活性化や雇用にも大きく貢献している。その中小企業が、相続税負担が主たる原因で、事業承継ができなくなるとすると、地域経済はもとより日本経済にとっても大きな損失である。こうした状況を踏まえ、法人会では長年にわたり欧米並みの「事業承継税制の確立」を訴え続けてきたところである。
 事業承継税制について、欧米諸国の実情をみると、相続税体系は多様であるが、事業承継税制を優先させるとの考え方で一致している。さらに、各種特例や優遇措置が整備されている。
 一方わが国では、事業後継者を対象にした相続税および贈与税の納税猶予制度が平成21年度税制改正で創設されたものの、欧米の制度に比べると内容、要件等が不充分であり、とても本格的な事業承継税制と呼べるものではない。 特に、自社株の課税価格の80%に対応する相続税を納税猶予する制度については、@原則として中小企業基本法で定める中小企業が対象となること、A相続人は、会社の代表者であり、同族関係者とで発行済株式総数の50%超を保有かつ同族内で筆頭株主である場合に限られる、B5年間、雇用の8割以上(厚生年金および健康保険加入者をベース)を維持しなければならない、C株式を実質的に処分できない等、厳しい適用条件が課されている。贈与税の納税猶予制度についても、ほぼ同様の条件が課されている。このため、事業承継の対象は限定的なものにならざるを得ず、要件の緩和や是正は是非とも必要である。ついては、適用要件の緩和と引き続き欧米並みの本格的な事業承継税制の確立を求めたい。

第五 消費税制について
1.消費税率引き上げの条件
 消費税は、消費一般に広く公平に負担を求めるものであり、少子・高齢化による財政需要の拡大などを考慮すると、近い将来、消費税率を引き上げざるを得ないと認識する。ただし、それ以前に行財政改革の徹底、歳出の削減などを行うべきであり、構造改革の進展や景気情勢などについても配慮すべきであることは言うまでもない。
 また、消費税を福祉目的税にすることについては、財政の硬直化を招くので、避けるべきである。しかし、現在、消費税が年金、介護など社会保障の財源に充てられているので、今後消費税率を上げる際には、段階的に行うとともに、社会保障支出と負担の関連を明確化して、国民の理解を得る必要がある。
2.滞納防止
 消費税は本来、預り金的性格を持つ税金であるため、滞納防止策として中間申告やeTaxの普及等、制度、執行面で一層充実した対策が望まれる。
第六 地方税制の見直しについて
1.固定資産税の軽減
 固定資産税については、商業地を中心に実効税率が上昇を続け、都市部において重税感が高まっている。そこで、都市計画税と併せて制度の見直しと負担軽減を求める。
 宅地と事業用地については、資産の収益力に着目した収益還元価格で評価する方式に改めるよう求める。また、事業用地については、居住用宅地に準じた負担軽減措置を設けるべきである。
 居住用家屋については、再建築価格方式でなく、家屋の経過年数に応じた評価方法に改めるべきである。
 土地の評価体制については、国土交通省、総務省、国税庁が各省庁の目的に応じた評価を行っているが、行政の効率化の観点から評価体制の一元化を行うべきである。
2.事業所税の廃止
 事業所税は固定資産税との二重課税的な性格を持っている。また、最近、市町村合併の推進で課税対象が拡大している。このため、速やかに廃止すべきである。
3.申告納税の合理化
 行財政改革や納税者利便性等の観点から、国税と課税対象を同じくする法人事業税、法人・個人の道府県民税や市町村民税について、地方消費税の執行をモデルとして、納税手続きの一層の合理化を図る必要がある。
4.超過課税・法定外目的税
 市町村民税の超過課税は主として法人を対象に行っており、その課税目的は必ずしも明らかでない。課税の公平原則にも反するもので、速やかに廃止すべきである。
 また、法定外目的税については、環境対策から導入される事例が多いが、独自課税の実施にあたっては、税の公平・中立の観点から法人企業に対する安易な課税は避けるべきである。
第七 環境税制について
 環境問題については、地球温暖化対策として各種の構想や提案が行われている。しかし、具体的に税制面でどう対応するかについては、政府部内で結論が出ていない。このため、当面は国内外の議論を注視し、環境政策との調和、石油税等既存の税制との調整を図りつつ、幅広い観点から積極的に検討するよう求めたい。
【付記=個別事項】
  別に取りまとめた個別事項についても、速やかに所要の改正を行うよう特に付記する。

<平成22年度税制改正に関するスローガン>
・待ったなし。国・地方とも聖域なき行財政改革の断行を!
・活力ある経済・社会の実現を目指し、抜本的な税制改革を!
・わが国企業の国際競争力確保のためにも、法人税率の引き下げを!
・適正・公正な課税、行政の効率化のため、納税者番号制度の導入に向けて検討を!
・本格的な事業承継税制を確立し、地域経済を支える中小企業に配慮を!
・消費税率引き上げの前に、徹底した行革により行政のスリム化を!
・道州制の導入の検討などにより、国と地方の役割分担を見直し、地方の再生を!
・年金・医療・介護制度について改革を断行し、持続可能な社会保障制度の確立を!